コーヒーは毎日飲んでますが、正直銘柄とか淹れ方へのこだわりは全くありませんでした。が、「山で淹れるコーヒーは美味いらしい」という話を聞いて、トライしてみました。
この器具はBialletti ビアレッティというイタリアのメーカーのもので、粉を真ん中に入れて、その下に水を入れて火にかけると、上のカップにコーヒーが出てくるという仕組みです。直火式エスプレッソメーカー「マキネッタ」とよく呼ばれているため、てっきりエスプレッソをつくるための器具だと思っていたのですが、エスプレッソのように高い気圧ではなく低い気圧でつくる別の飲み物「モカ」をつくる専用のもので、だから「モカエキスプレス」と呼ばれています。
日本で言うところの「お茶用の急須」ということで、一家に数台あるという話とか、コーヒーの香りを消さないために洗剤で洗わないところとか、80年以上前に生まれてこれまでほとんど変化がない美しいデザインがNY MOMAの永久展示になっているとか、くすぐるポイントがたくさんあります。
子どもたちがこれを大人になっても使ってくれたら最高ですね。
実は誕生のきっかけは洗濯機だったとか、以下の男女のエピソードとか、語るネタが尽きません。面白いですね。
モカエキスプレスが誕生した19世紀前半のイタリアは
それまで家庭にこもっていた女性たちが少しずつ外の世界へ歩みだした時期です。
当時、エスプレッソは男性の飲み物とされ専門のコーヒーショップ『 バール 』で楽しまれていました。
必然的にエスプレッソの味を知る女性は少なかったのです。
こうした中、人々の間に広がっていったモカエキスプレスはエスプレッソを『 誰でも家庭で楽しめる飲み物 』に
変え、人々の生活文化を変える一つのきっかけとなったのです。
エスプレッソの美味しさを知った女性たちはバールを利用するようになりました。
そしてモカエキスプレスを知った男性たちは、それまで立ったことのないキッチンに立ち
家族のためにエスプレッソを淹れるようになり、それがブームになったのです。
こうしてモカエキスプレスはイタリアの家庭でなくてはならないアイテムとして広まっていきました。
でも何より本体も安くて淹れ方もとても簡単なのが素晴らしいです。